• [02月27日(金曜)]
  • 尾張町総会
  • 今期の総会が、ギャラリー三田で参加者約20名の下で行われました。
    最初に読み上げる概要は
    「新世紀に入って三年目、希望と現実の揺れ動く中、ようやく地に足のついた姿が見えかかって来たようです。
    それは、地域と世界が密接に結びついて、連動して行くことといえます。地域のことが世界に、世界のことが地域に、一瞬のうちに広まる。イラク戦争しかり、SARSしかり。景気も、地域経済から世界経済規模となり、同時性・標準性が一般的になって参りました。
    一方、スマップの「世界にひとつだけの花」が年末の紅白歌合戦のトリで歌われたように、個別性・独自性が注目されるようになって来ました。”ナンバー・ワン”から”オンリー・ワン”への価値転換の始まり、というように世間では騒がれていますが、”一週遅れのトップランナー”を常日頃に提唱していた尾張町にとっては、世間が本来の姿に目覚めだした価値復帰と捉えています。
    しかも、この価値復帰は一時の流行でなく、大きな流れとなりつつあるようです。NHK大河ドラマ『利家とまつ』が終わったにもかかわらず、相変わらず金沢への来街者は減りませんし、この尾張町界隈の注目度も減ってはおりません。老舗交流館の年間来館者にしても3%ほど増えているほどです。
    こうした中、サーパス尾張町の大規模マンションの建設や、金沢市による大手門前の中町通りの整備事業などが具体化され、改めて商い文化の街・尾張町の今後のあり方を問う機会を得ました。この街は、今後どのような「こころいき」(ソフト)を持ち続け、どのような「すがた・かたち」(ハード)を展開して行き、どのように次の世代へ受け渡すか。真剣に金沢市と「まちづくり協定」を創り上げ、締結へ向けて行動して来ました。
    振り返って見ますと、尾張町はいつも危機意識と継続的な行動力を下に独自に歩んでおりました。いつか時代が尾張町を理解してくれる時が来ると思いつつ....。それが新世紀の”すがた・かたち”の見えだした昨今、価値復帰という「こころのルネッサンス」を迎え、これまでの歩みが間違っていなかったことが確認された年でした。
    これも尾張町を愛する皆様方の温かい理解とご支援があってこそと厚く感謝申し上げ、今年一年の活動実績についてご報告させていただきます。」

    総会に当たっての気概を述べた後に
    第1号議案 平成15年度事業報告及び決算報告の承認と監査代表の監査報告
    第2号議案 平成16年度事業計画案及び予算案の承認
    第3号議案 まちづくり協定策定とファサード整備事業
    第4号議案 戸室石ベンチ設置事業
    第5号議案 小冊子出版事業
    第6号議案 若手会の報告
    第7号議案 その他
    と議事を進行し、いろいろな意見を聞きながら、今年も全議案が可決し、以下の意気込みのもとに新年度事業も基本的に了承されました。
    『この地区は、金沢の歴史とともに繁栄した商人文化の"いき(粋)づく街"として、個性的で趣きある街並みが色濃く遺っています。この計画(尾張町地区まちづくり計画)は「のれんが"いき(粋)づく"あきない街」をテーマとし、暮らしと商いが安心して続けられる、来て・見て・ふれて・歩いて・知る街創りを目指します。』
    新世紀の”すがた・かたち”が見えだし、価値復帰という「こころのルネッサンス」に向けて歩みだしている尾張町の私たちが、今、何をなすべきか。まず、価値復帰とは何に対してなのかを問わなければなりません。それは、幸せになろうとする人に対して、そのお手伝いを商いを通して行なう。という、尾張町商人が連綿と培って来ている「こころ売り」に他ならないと思います。
    見栄えの格好の良いことは、その辺にいくらでもあります。でも、本当に格好の良いことはチャラチャラとメッキした見栄えとは違います。本物のいぶし銀のような、良く見ると飽きることのない輝きであります。その時だけでない、ずっと継続するものに特有の深みのあるものです。「こころ売り」とは、そんな深みというか厚みというか、ちょっと見にはあまり目立たない、芯のある姿勢なのです。
    この春に金沢市と協定の締結を目指している尾張町地区まちづくり計画の中には、こうした尾張町の気持ちを十分に盛り込んでいるつもりです。何より、「続けて来た」ことを「続けて行く」ために、新しい世代へより良く引き継いで行ってもらいたいとの熱い思いが込められています。
    最近になって国も、やっと行政改革の一環として"地方分権"を強く打ち出して来始めたようです。これも追い風の一つと言えなくもないですが、所詮はお役人の形式論に終わるかもしれません。大事なのは、他人を当てにすることなく、見えない部分で本物志向をし、本物の価値復帰による「こころのルネッサンス」を自らが実践し続けることだと感じます。時代が、経済が、人の心が厳しいほど、逆に本物の価値が、より一層求められるものです。
    「尾張町らしく」(考えてみれば、抽象的な表現だけに、常に追い求め・問い直さなければならない事柄であることに、逆に永遠のテーマを持ちつつ)あり続けるために、組合員の皆様の温かいご理解によるご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。